2017年全日本ロードレース選手権第3戦スポーツランドSUGO

jsb1000bannerjsb_result高橋 巧
新型バイクの開発自体は思うように進んでいません。ウエットに関しては2回ほど乗ったのですがフィーリングは悪くなくて、それは今日も同じでした。そういう意味で、ドライよりはウエットの方がまだ現状では良いという感じです。自分の中でこのバイクの限界はここまで、という感じがまだ全然ないので、もっとテストを重ねてしっかり仕上げていきたいと思います。もてぎはテストで何回か走ってますが、現状のパッケージングでは走ったことがありません。でも間違いなくパワーアップしていると思うので、3連勝目指して頑張ります。

j-gp2bannergp2result水野 涼
ケガしてしまったので正直、今回のレースは厳しいと思いました。出場に関してはチームと話をして、病院の先生とも話をして、最終的には自分で決めました。このウイークに入って木曜日に走り始めて少し痛みは感じたのですが、これくらいなら我慢できると決めました。でもリスクがあるのは分かっていますし、今は無事に終わってホッとしています。レースはスタートして生形秀之さんが速く、しかも自分と速いポイント、遅いポイントが違うため、抜くのにすごく手間取りました。そこまでがすごく難しかったのですが、抜いたあとは救急車が入ったり周遅れが絡んだりで、差が詰まったり離れたりという状況の中、自分でペースを上げると離れたりしたので、それでだいぶ自分をコントロールできたと思います。

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名越哲平
ドライのフリー走行はタイムを順調に詰めることができ良いフィーリングだったのですが、ウエットの予選では前のマシンに引っかかったりして、ペースが掴めずに終わってしまいました。とは言え、第1戦の筑波でウエットに対する苦手意識はだいぶ薄くなっていて、今回の決勝もペース的には悪くなかったのですが、馬の背の進入で6速か3速へ落としたところでギアが抜けてしまい、そのまま飛び出してしまいました。ドライではまだまだセットアップを進めていく状態でしたし、タイムもさらに上げられる手応えはあったので、そういう意味では雨になってしまって残念です。このあとアジア選手権鈴鹿ラウンドになります。鈴鹿では去年表彰台に上がってますし、良いイメージがあります。メカニックも全日本担当の方が来てくれるので、そこで一気に巻き返したいと思います。

jp250bannerjp250(天候不順のため決勝はキャンセル。予選結果)

本田重樹監督
JSB1000クラスはとても厳しいレースでしたが、タイヤチョイス、マシンセッティングとそこそこまとまり、いつもの良いときの巧の感じが戻っていました。序盤からスピードを上げ、後続を引き離し、レースとして完勝でした。レース後半にタイヤが厳しくなった場面もありましたが、序盤に大きくリードを作っていたことが功を奏し、うまくレースをコントロールできました。鈴鹿8耐に向けて弾みを付けるレースになったと思います。J-GP2の水野涼は鈴鹿2&4のテストでJSB1000のマシンに乗り、そこで転倒。負傷が癒えない状態で第3戦を迎えることになってしまいました。転倒は絶対に許されない状態なので、いつもと違うプレッシャーの中で本人、そしてチームも戦うことになりました。特に今回はウエットのレースとなり、ワンミスが即転倒につながるため、とてもリスクの高い状態だったのですが、安定してタイムを刻み、完璧な勝ち方ができました。これは、ケガをしてしまいましたが1000ccのマシンに乗ったりしたことが間違いなく勉強になり、本人のスキルアップにつながっています。来週また1000ccに乗りますが、身体を大事にして、もてぎでまた勝てるよう頑張ってほしいと思います。ST600クラスの名越哲平は、ウエットレースという難しいコンディションになり、シフトミスというちょっとしたミスをハイスピードの場所でしてしまい、コースを飛び出して転倒してしまいました。スピードは徐々に付いてきているので、あとはうまくそれを結果に繋げてほしいと思います。

堀尾勇治チーフメカニック
JSB1000クラスはぶっつけでのウエットになったのですが、セパン、鈴鹿とウエットの走行を経験する中で、この新型マシンとウエットの相性は良さそうと感じていたのが結果的に確認できたレースになりました。金曜日は気温が上がらない中、順位的には3番手で終わりましたが1’27″台で安定してラップもできていて、ドライでの感触も良かったので、ウイーク通して流れとしては悪くなかったです。ただ巧本人としてはまったく納得できていないので、そういう意味では頼もしいですし、チームとしてまだまだやるべきことは山積みです。とは言え、巧にとって彼の祖母が東北に住んでいて、そこで勝ちたいと思い入れが強い中でなかなか勝てなかったコースだったので、この勝利はまたひとしおだと思います。J-GP2の水野涼は負傷を抱える中、正直言ってどう声をかけて良いのか悩みました。ドライは自分を抑え、かなり我慢して走っていたと思います。ウエットでももちろんそうだったと思いますが、いつもトップグループを一緒に走っているライバルに対して、自分の組み立てが活かせる状況であることが確認できたら、最大限リスクを負わないようにしながらもしっかりと勝ちきったというのは立派でした。J-GP3チャンピオン、去年気負いすぎて空回りしてしまった1シーズン、それらすべてを自分の糧として成長してる証だと思います。ST600クラスの名越哲平は今年アジア選手権にも参戦し、そこでなかなかリズムが掴めずにいます。チームとして他のクラスで結果が出ているということもあり、少し本人的に焦りも出てしまっているのが実際のところだと思います。せっかく筑波の雨のレースの中でリズムが取れるようになっていたので、その流れを今回のレースになんとか繋げてくれればと期待したのですが、ちょっとまだ噛み合わない状況です。成長のためのアドバイスはしているので、ぜひそこで上向きになってくれればと帰隊しています。JP250の上原大輝は、絶好調だったのですがSUGOのテストで転び、ケガをしてリズムがちょっと狂いだしてしまいました。なんとか流れを変えようとしてまた転んでしまい、負の連鎖になってます。本来であれば新型マシンがここで投入のはずだったのですがそれが叶わず、次戦になりました。もてぎまでに身体をしっかりと治し、チームは新型車両の開発を全力で行ってニューマシンのデビューウインを果たしたいと思います。