2014年全日本ロードレース選手権第8戦 鈴鹿

高橋 巧
「ドライでの走りはいい感触がありましたが、レース1では本来のマシンのスピードが出ていなくて、その部分で苦戦を強いられてしまいました。レース2は失うモノは何もないと監督に言われ、自分もそう感じたのでとにかく勝ちだけをねらって走っていたのですが、突然マシンが加速しなくなり、そこでレースを諦めざるをえない状況となってしまいました。残念の一言です。」

亀谷長純
「現役最後のレースだったのですが、自分としては特にそうした気負いもなく、いつもの自分の中の一つのレースという感覚で、そういう意味では気負いなくレースウイークを通して、集中して仕事に取り組みました。監督が最後のレースなので自分で乗りたいマシンを選んで良いと言ってくれたので、データも豊富なHP6をリクエストしました。限られた時間ではありましたが、とても楽しく乗ることができました。でも、今年は開発という契約をし、その仕事はしっかりと全うできなかったので、その部分は残念ですし自分の力不足を感じます。今後は自分の経験を活かし、後進の育成に力を注ぎます。」

浦本修充
「今年、高橋裕紀さんがグランプリから全日本に戻り、このクラスのレベルが大きく上がったと思います。その中で自分のレベルももっともっと上げていこうと考えていたのですが、今日も雨の中、勝てませんでしたし、まだまだ実力不足であることを痛感しました。もっと努力して成長します。」

水野 涼
「すべてはスタート位置の悪さに尽きます。雨の走りも自信はあったのですが、サスペンションの中身を変える変更を土曜日の予選に行い、走り出してすぐにそれが良くないことは分かったのですが、ピットインしても中身を戻す時間はないことから、そのまま最後まで走ったのが痛かったです。決勝も後ろから追突され、それが大きく順位に響きましたが、そんなところを走っている自分の責任でもありますから、やはり予選ではいい位置に付けておかなければいけないですし、全セッション、常に上位にいなければダメだと言うことも痛感しました。」

本田重樹監督
「J-GP3クラスの水野 涼は、チャンピオン獲得のチャンスがある中での最終戦となり、十分に獲ることのできるチャンスがあっただけに、残念な結果となりました。取り逃がしたのは痛いですが、今年の悔しい経験をぜひ、今後のレースに活かしてもらえればと思います。今年の水野はとても成長しましたし、シーズンを通しての戦いは良かったと感じています。また来年、さらなる飛躍を期待したいと思います。J-GP2クラスの浦本修充もタイトル争いに絡んでおり、ランキング3位ということでまず彼自身は勝つことが求められていました。決して得意とは言えないウエットコンディションでのレースになってしまいましたが、その中で精一杯頑張りを見せましたし、結果的に勝つことはできませんでしたが、来年以降につながる良いレースをしてくれました。より高いレベルの浦本のレースを見たいですし、我々も引き続き、精一杯のサポートをしていきたいと考えています。亀谷長純は今回のレースが最後ということで、本人の希望もあり、マシンを変更してHP6で戦うこととなりました。急遽マシンを仕立て、準備して鈴鹿に持ち込みましたが、限られた時間の中でしっかりとセットアップする亀谷の仕事ぶりには、ライダーとしてのポテンシャルがまだまだ高いということを十分に感じることができました。引退は残念ですが、本人が決めたことですし、尊重したいと思います。今後も若手育成などの活動など、一緒に仕事をしていきたいと思いますし、貴重な人材なのでぜひレース界で活動をしていって欲しいですね。JSB1000クラスの高橋 巧は、レース1で勝つことができず、レース2は勝ちしかないと最初から全力で走りましたが、思いもよらぬマシントラブルが発生してしまい、リタイヤとなってしまいました。雨の中、全力で勝ちを目指したその姿勢は高く評価したいですし、進歩も感じられました。この進歩が、来年以降の彼のレースに活かしてくれれば、より高いレベルでのレースができるはずです。来年に関してはまだ白紙ですが、この形を継続していけるのであれば、さらにサポート体制を強化していきたいと思います。ハルク・プロとして今年は無冠に終わりましたが、悪いシーズンではなかったと感じています。ジョイントチームの小林龍太がST600クラスでチャンピオンを獲っただけになり、私としてその部分は寂しい結果なのですが、精一杯戦って出た結果なので、受け入れたいと思います。今年もたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。来年以降も引き続き応援いただけますようお願いいたします。」

堀尾勇治チーフメカニック
「J-GP3クラスの水野 涼は、接触などもあり少し消化不良なレースになってしまいました。まだまだライダーとしての伸び代は大きく、多少問題があってもベストタイムを更新する走りができるので、そのあたりの強さをさらに磨ければと思います。J-GP2クラスの浦本修充もまったく同じで、持っているポテンシャルは相当高いものがあると常々感じているので、さらに大きく成長してもらいたいです。でも今日のレースは得意とは言えないウエットコンディションの中、最後まで攻め切りましたし、成長を感じました。亀谷長純は現役最後のレースということで、本人が乗りたいというマシンを選択。限られた時間の中できっちりとまとめ上げ、残念ながら表彰台に上がることはできませんでしたが、亀谷の最後のレースを見たいとサーキットに足を運んでくれたお客さんには十分に魅せるレースをしたと思います。さすがプロフェッショナルだと感じました。JSB1000クラスの高橋 巧は、レース1でマシンの速さが本来の調子ではなく、苦戦を強いられてしまいました。レース2ではこれまでに出たことのないトラブルが出てしまい、不完全燃焼で終わってしまったので残念です。」