名越哲平、ST1000クラス初優勝!

RACE1
RACE2

水野 涼
「今回のレースウイークは事前テストがなく、一日多い中でセットアップを詰めていって、木曜は仕方の無い部分があってタイムアップできずに終わりました。金曜は2番手で終えられたので最低限戦えるベースまで持っていけたかと思ったのですが、土曜は雨になり、雨のデータが少ないので、少しずつタイムを上げていく状況となりました。最後にタイムアップできず、なんとか2列目には入りました。レース1はスタートが重要とプッシュした矢先に突っ込まれてしまいました。そのことは自体は終わったことなので仕方ないですが、再スタート後のトラブルや、今日の朝フリーもトラブルが出てしまって走れず。レース2は、Tカーでバイクの個体差が出てしまい、序盤からプッシュしようとしてもぜんぜん違うフィーリングでうまく合わせられず、苦しいレースになってしまいました。レース内容的にはなにもないですね。去年、同じ位置を走っていたライダーがはるか先を走っていて、自分がそこを走れないのはとにかくもどかしいです。」

名越哲平
「木曜日の走り出しはオートポリスのベースからとなりました。ベースができていたし、前回までと比べるとトップとの差も詰まってるし、他のコースよりはスムーズに走り始められました。その中で良いところと悪いところも確認でき、充実した初日となりました。二日目は試したことがうまくいかなくて転倒したけど、それでも仕上がり自体は良かったです。土曜は雨で、ST1000でベースもできてきて、ここまで雨は良いフィーリングがなかったけど、しっかり走りのリズムも取れて、タイムは詰め切れなかったですが良いフィーリングで走れました。決勝はドライになり、木、金と二日間のドライでのデータを見て、アベレージが取れるセットにして出ていきました。まずは自分のリズムに持っていくことに集中しました。それはスタートしてからではなく、サイティングラップから自分のリズムで走るよう意識して、最初から集中しました。スタートは先頭に出られませんでしたがすぐ3コーナーでトップに立ち、最後に抜かれるまで自分のリズムで走ることができました。すべてうまくいき、それが勝ちに繋がりました。余力があったわけじゃないですが、自分のベストを最後まで出そう、14周攻めようってトライして、それをやりきれました。新しい勝ち方ですね。鈴鹿もテストで感触が良く、良いイメージがあるので、今回のような勝負ができると思います。」

榎戸育寛
「初日に転倒を二回してしまい、それが最後まで響いてしまいました。二日目で取り戻してそこは良かったのですが、予選の雨は思った方向とは違う方に出てしまい、やりきれませんでした。それでも5番手でしたし、決勝朝のウォームアップで取り戻してポジティブな気持ちで決勝に臨んだのですが、順位を上げていこうとしたタイミングにトラブルが出てしまい、予選、決勝ともやりきれずに終わってしまいました。不完全燃焼です。」

埜口遙希
「今回のレースウイークは木曜から走り始めたのですが、サスペンション、エンジン含め、ステップバイステップで進めることができました。木曜の時点で問題も明確になっていたし、人間も改善すべきところがあり、それを金曜日にトライしてさらに良くはなったのですが、まだ物足りない状態でした。土曜は雨になったのですが問題がドライほど出ず、雨は好きではないのですが、600は車重があって慎重にどうやったら前に進めるか考えて走ったら2番手でした。決勝朝のウォームアップは微妙な路面コンディションで、フィーリングが今ひとつでした。確認したいことはコンディションの関係でやりきれなかったけど、それでも課題が見つかりました。決勝はまだ一発の速さは出せない状況だけど、その中で6番手、7番手争いで一緒に走った選手がいつもトップグループを走ってるライダーだったので、彼らの走りを見ることで分かったこともあったし、次に向けてしなければいけないことが明確になりました。今回はシングルフィニッシュを達成できたので、次はもっと上でゴールしたいですね。」

 

本田重樹監督
「ST600の埜口は、マシンに関してチームサイドへの打ち上げがあり、予選まで改善すべく作業を進めました。ウエットセッションとなった予選では2番手という望外な結果を得ることができ、埜口のポテンシャルをアピールすることができました。決勝は序盤トップグループにいましたが、持ちタイムがそこまでテストできていなかったこともあって順位を落としてしまいましたが、シングルフィニッシュということで、次戦鈴鹿に期待が持てる状況で終えました。ST1000の榎戸は木曜に二度転倒し、それが響いて十分なセットアップができず、そのままレースを迎えてしまいました。それがブレーキの問題という形で起きてしまい、決勝ではそのために順位を落としてしまったのは非常に残念です。でも我々の使っているブレーキは優勝した名越とまったく同じパッケージなので、恐らくメカサイドの問題だと考えられます。榎戸の度重なる転倒によるテスト不足が原因と見ており、ベースに帰ってから検証し、原因究明をして最終戦に臨みたいと思います。名越は現状のパッケージで十分勝負できるという本人の感触もあり、決勝では序盤から飛ばしていく作戦を見事に敢行。我々にとって待望の初優勝を遂げたのは喜ばしいことです。最終戦に向けて弾みがつきます。JSB1000のレース1はスタート後の5コーナーで追突され、車両が転倒してガソリンが漏れ、炎上してしまいました。レースはスペアマシンで臨むことになりましたが本番の車両ほどセットアップが進んでいなかったこともあり、上位を走れず、さらには電気系トラブルが出てレースをリタイヤせざるを得なかったのはとても残念です。レース2に向けてトラブルの原因を探りトライしたのですが、決勝の朝フリーでも改善が見られず、さらに各部品の再チェックをし、部品を全取り替えしました。レース2においては通常の車両になりましたが、テスト不足のため、順位を上げられませんでした。でも結果的に3位というのはテスト不足の中、得られた順位としては悪くなかったですね。しかしそれは我々が望む位置ではないので、最終戦では優勝争いに絡めるようさらに頑張ります。」

堀尾勇治チーフメカニック
「全般的には嬉しいこともあったけど、JSBはつまずいてしまいました。もてぎは事前テストもしてたし、トップが手に届くようなところにはいなかったけど、チャレンジしようと臨んだレースだったので、そこは残念です。いろいろとうまくいかない状況が続いてしまい、それでもライダーは腐らずにいてくれたのは頼もしさを感じました。レース2までに多くの方々の協力を得て原因究明し、コースに送り出し、無事にレースは終えることができました。原因が分からないと次にまた起こる可能性があるので、そこは完全な状態にして次のレースに向かいたいと思います。最終戦はあと2回チャンスがあるので、そこで勝って終えたいですね。ST600の埜口はクルマの案件があったけど、チームの中で会長まで工具を持ち出して作業する状況になり、埜口はそれに応える予選2番手となりました。決勝はドライになり、ぶっつけ本番的セットもあり、厳しい部分はあったと思いますが、シングルフィニッシュは次に繋がる結果だと思います。名越はやっと前回のオートポリスから落ち着いてセッションを進めることができるようになりました。その結果、日曜日は最高のリザルトが出せました。雨には苦手意識がありましたが、それに関しても一歩前進する部分があり、その点でも良かったです。榎戸に関しては、ちょっと焦りが出ていました。チーム内に2台いて、片方が良いともう片方はどうしても焦りが出がちです。落ち着かせるため、ライダーが迷わないセッティング、タイムを上げるのにいちばんほしいのは何?っていうミーティングをウイーク中にやり、まだ時間があるから着実に進もうとリセットしました。決勝は最後に行きたかったのですが、マシンに少しトラブルが出てしまい。不完全燃焼で終わってしまいました。問題解決をしっかり図り、最終戦鈴鹿は表彰台に上がれるようしっかりバックアップしていきます。」