【COLUMN】Vol.282 オートポリスまで

2020年9月24日更新 本田重樹コラム

全日本選手権第2戦?

新型コロナの影響で8月に開幕が成された全日本ロードレース選手権(この名称もいい加減変えたいよね、自転車レースと混同される)

 

開幕戦は菅生だった。俺達は今年新型のCBR1000RR-Rとなり数多くのテスト走行がしたいが、これもコロナのせいでままならなかった(ほとんどの施設が休止していたからね)新型マシンでレースをやるのにテストも出来ない。ST1000は初めてのダンロップタイヤ、JSBは昨年までのHRCワークスマシンと異なりHARC-PROフルKIT車。ST600は慣れているが、ライダーが新人の埜口遥希。要するに全部が新しくなったみたいなシーズンなんだ。

 

埜口は奈良の在で、ウチとは距離があるから何かにつけて可哀そう。まあ、近くにいても今年は何も出来なかったから同じかも知れない。若いけどアジアタレントカップなどで揉まれているせいか一応それらしい事を言う、今年初めて600に乗るのでライディングスタイルを変えるのに少し時間が掛かりそうだが、ポテンシャルは感じるのでそのうち慣れてくればと思っている。菅生の事前テストで多重クラッシュに巻き込まれマシンは全損、本人の怪我が足の小指骨折で済んだのは運が良かった。

APではマシンのセッティングが決まらず苦戦したが(本人は気が付いていないかも知れないが、走る度にペース、ライン、スピードが変わるので難しい時期)それもすぐにまとまってくるでしょう。そうなったら速いよ、遥希は。

今年から1000ccマシンに乗り換えた二人、榎戸と名越。名越は昨年何回かJSBマシンに乗っているし8耐にも参加しているが、榎戸は全く初めてのクラスになる。

4月にテストで乗った二人は鈴鹿で名越が8秒台に入れ榎戸も9秒台。いい感じだと思っていたら榎戸は110Rで転倒、大腿骨骨折でしばらく入院のはめになった。まあ、運がいい?のは、走れないのは怪我をしていない他のライダーも一緒で、今年新型コロナが無かったら大きく後れを取るところだったな。その二人のデビューレース菅生は揃って決勝転倒。榎戸は再走してポイントゲットしたが名越はリタイヤ。ある事情から難しい路面コンディションではあった。結局上位3人ベテランだった事からも窺える。

 

気を取り直して向かったオートポリス。ここもまた気まぐれな天候に翻弄され、まったくテスト無しのぶっつけ本番みたいなレースになってしまった。金曜日の走行が霧のため全部キャンセルされ、かろうじて土曜日の朝、特別に設けたART走行が唯一の事前走行。俺は前の週にテストに来ていたT-PROチームに「ファイナルレシオどのくらい?」って聞いたくらいだよ。(まあ、予想通りで大差なかったのはホッとしたけど)レースでは事前テストの成果とベテラン高橋の前に為す術なく負けました。T-PRO祭りとなった(ST600でも小山が勝ったから『知良おめでとう、今度ゴルフおごってやるな』)余計な事言ったおかげで出費が。(苦笑)

JSBの涼はレース1で3位となり、菅生のレースでは10秒以上の大差を付けられたのが、少し縮まったのでレース2はと意気込んだが甘かった。まだまだ攻められない。無難に行けば龍一と同じようになってしまうのは見えていたので、一発勝負!のセッティングチョイス。良くはなったが頑張って付いて行くのが精一杯。あっさり裏切られてしまった。早くR1と同じようにタイヤが使えるようになりたいモンだ。

今年はコロナの影響で、とても難しいシーズンになっている。新型車を使う年に走行機会が全くないに等しいシーズン。こんな時こそ長くやっている技を見せなければならない。