【COLUMN】Vol.272 全日本後半戦スタート

毎年感じることだが、鈴鹿の8耐が終わると、全日本の後半戦は一気に終盤戦に差し掛かる。

俺達は毎年、8耐明けにさっさと?夏休みを取り、後半戦に備えるのが常だ。世間の人達に合わせてお盆に休むと、休み明けの全日本、もてぎラウンドの準備に支障をきたすから。

 珍しく夏休みを海外で、なんて思い、風光明媚なベトナムのハロン湾やボートクルーズで自然を満喫?・・・出来なかったな。失敗した8耐の反省や来年の事などが頭から離れない、8耐で骨折した涼の全日本はどうしよう、走れなかったら代替えのライダーは。ハロン湾の船の上で考えてもしょうがないのに。(苦笑)

 休みが明け、早速もてぎ。案の定、試乗した涼は 「レーススピードは無理です、力が入らないので転んでしまう」弱気なコメント。普段強気な言動の涼だけに、俺は(相当ヤバいな)感じた。考えてみれば無理もない、腕をバッキリ折ってプレートで止めてから1週間も経ってないんだから。それでも一度は「乗ってみます」トライした涼、若いけど普段からの強気な言動は伊達じゃない。

 急遽リプレースに指名した哲平。8耐では1000に乗っているけど、ただでさえ難しいもてぎ、行き成り乗せて何処まで戦えるか?それよりも乗れるか?だったな。

まあ、結果から云えば及第点?の15位、俺はレース前に「哲平、1ポイント1万円の賞金だ」煽ったが、哲平は終始クレーバーな走りで、地味に6ポイントゲット。(笑)

哲平にとっては良い経験になったようで、その後のオートポリスでは終始良い感じで走っていたな。(600のGP2マシンが軽く感じるのだろう)

 そのオートポリス。東京からだと一番遠いサーキットだが、天気さえ良ければそれこそ“風光明媚”?阿蘇の雄大な景色は目の保養になる。朝、ミルクロードという山道を上がっていくと、緑の絨毯と共に雲海が広がる、それは見事な景色なんだ。

ところが、一歩間違えればその雲海は、山間のオートポリスを覆い尽くしてしまうんだ。全日本の事前テストは正にそれで、ほとんどまともにテスト出来なかった。(オートポリスの電源設備のトラブルもあったけどね)

 俺達にとっては哲平が良い感じだったのと、涼が、もてぎの時より全然良くなっていたことが確認出来たぐらいのテストだった。

 翌週改めてオートポリスへ。

最悪!この一言に尽きる。先週のテストからまともに走れていないのに、レースウイークも同じ。参りました。

ST600JSBに2クラスが2レースを予定していたが、キャンセル。ほとんど走れないまま、奇跡的に晴れた日曜日に一気に予選・決勝。

俺達は、調子の良かった哲平が最後まで優勝を争ったが惜しくも2位、涼は相当苦しかったようだが、何とかこらえて8位、大輝も初めて一桁フィニッシュ。

なんだ、テストなんてやらない方が成績いいな。(苦笑)

 来週は岡山の事前テスト。やらない方がいいかも知れないけど、やっぱり行こう (苦笑)

 岡山が終われば、後は最終戦の鈴鹿だ。ここで手綱を緩めたら、今までの苦労が水野涼?スイマセン、水の泡になる。