Vol.260 後半戦開始

鈴鹿の8耐が終わり俺達は束の間の夏休みを過ごした。

俺は夏休み明けにインドネシアに飛びARRCのレースに行った。今年MuSASHi BunsiewHONDAで走る哲平の様子を見るのと、アストラチームのサポート。

 哲平はセントウ―ルサーキットのコンディションの悪さに閉口して、攻め口が分からない様子だったな。それは山口辰也も同じ「ここ危ないですよ」連発してた。

確かに日本の綺麗に整備されたコースに慣れていると、アジアのコースは一言で云えば“ひどい”(苦笑)

コースがでこぼこなのは当たり前だが、走行の合間に日本だったらコーナーポストのオフィシャルが竹箒で簡易清掃するのは見慣れているが、アジアのコースでその姿は見た事が無い。(そもそも竹箒なるものが無いか?)竹箒位なら俺がプレゼントしてあげてもいいけど、スイーパーも無いからなスイーパー車は高いだろうな、それにあんなでこぼこじゃスイーパーのブラシが空を切って綺麗にならないかも。それ位ひどい状態なんだ。(苦笑)

そんな状態でのレースに、哲平は対応出来ないまま終わってしまった。

 アストラチームは絶好調。俺達がゼロから作り上げたCBR250RR、インドネシア製の威信を掛けた車種でアストラホンダの井沼社長肝いりだけに気合が入る。レース1でゲリーを筆頭に表彰台を独占したのは見事だった。ついでに600の代替ライダーのディマスも優勝、夜のアストラホンダ主催のディナーパーティーは超盛り上がった。

 インドネシアから帰国してもてぎへ。ウイークの感じは悪くなかった巧、レーススタート前も自信満々な顔で、「大丈夫です!」力強く俺と握手したが・・・スタート前に少しだけ欲を出した?セッティングが悪さした。相変わらずナーバスなバイクで、少しのセッティング変更が裏目に出るんだ。それでも結果は3位。悪くないけど、今の巧にとって3位の結果はとても悔しいものになっている。

 俺達がお世話になっている武蔵精密工業() ホンダ車を筆頭にハーレー、BMW、トライアンフ等のバイクに使っているミッション、カムシャフトは武蔵製品で、4輪の足回りの鋳物部品も含め、世界中のメーカーに供給している企業です。

その武蔵精密が毎年行う夏祭り。従業員の皆さんご家族はもちろんの事、近隣の皆さんもお祭りを楽しみにしているようで、多くの方が来られる。俺達の事も紹介して頂き、随分バイクの認識が高まってきていると感じるイベントだ。

 夕方から始まり、祭りの最後を締めくくるのが豊橋名物“手筒花火”見た事がある人もいると思うが、1メートルぐらいの長さの花火を小脇に抱え打ち上げる様は勇壮そのもの。

その手筒花火に彩りを添える爆竹、俺のオモチャ(笑)真っ暗な中で足元に爆竹投げる悪ガキになるのは当然の成り行きで、今年は哲平や涼が餌食になってた(笑)

 先日、うちのメカニックで出生が謎の“UFO”と言うのがいますが、こいつが降り立ったのが関西地区のようで、やたらと関西を持ち上げる。何を持ち上げるか?マクドナルドハンバーガーの事を、普通“マック”で通じるところがヤツには通じない「いや、“マクド”ですやん」と言ったり「USJだっけ?」というと「ユニバ↑です」とにかく標準語を崩そうと必死なんだ。先日も嬉しそうに「会長、やっぱりマクドになりましたね」(苦笑)

 可哀想なのはヤツの子供たち、小学校に入ったらいじめられるだろうな。だって東京に住んでいて“マクド“なんて言うヤツ俺は見た事ないから。(笑)

 巧のバイクのメンテナンスやりながら、工場では新型エキゾーストパイプの開発もやっている頑張り屋。サーキットで見かけたら教えてやって下さい。“マック”は世界中で通じるけど、“マクド”なんて誰も知らないよと。(笑)