Vol.182 2011師走に想う

2011年も、とうとう師走に入った。
今年は3,11の大震災に見舞われ日本中に激震が走った。今現在だって復旧作業は続いている。俺達のレースは興行の部分を含んでいるので通常開催に戻るタイミングが難しかったと思う。プロ野球チームの親会社のワンマンが「こんな時だからやるんだよ」発言したのをTVで見たが、素直に同調出来なかった記憶がある。
我々は、想定していなかった事態に直面した時、瞬時に“正しい”判断をするのは非常に難しい事がある。自分自身もそうだった。オートバイレースはスポーツであり、興行でもある。ライダーがその卓越した技術で一般人には到底出来ないテクニックを披露する、それを見る観客は自分にはマネの出来ない技術に感動する。今年の菅生大会は例年になく観客が少なかった気がするが、見に来てくれた人達には一瞬でも感動を与えられたと思っている。
暗かった日本中を明るくしたスポーツが女子サッカー(なでしこジャパン)だ、野球ではないが、先のワンマンオーナーの弁がある意味正しい事を証明した(ただし、我々は直接被災者ではないから、被災した人達の気持ちは分からない)。
盛んにTVで放送された女子サッカーが、被災者にどれだけの力を与えたのだろう? 俺達のレースは世の中を明るくするのにどれだけ役立っているのだろう? ウチの卒業生青山博一は、遠く異国の地でその惨状を目にしたという。その時、彼は「今やれる事は自分が走って、その走る姿を見てもらう事で力にしてもらいたい」思ったという。
人数の問題じゃない。一人でもいいから見る人を力づける事が出来れば本望というものだ。

今年は日本の自動車工業会が大打撃を受けた。先の震災、タイの洪水。自動車工業は多くの連鎖によって成り立っているので関連企業すべてに影響を及ぼしている。我々はそのいちばん末端に位置しているが、前述の気概を持ってレースに臨み、少しでも業界を明るくしたいと願っている。

先日MFJでロードレース委員会が開催された。その席上俺は、ART賛同会員の代表で出席しているので会員の要望提案事項を述べさせてもらった。この委員会に出席を認められて10年位経つ中で、多くのART提案事項が可決・否決されてきた。その中の一つに音量規制がある。俺は、クローズドサーキットの中での音量ならもう少し大きくてもいいような気がする(4輪より抑えてある)。サウンドはモータースポーツの醍醐味のひとつと考えるから、(F1に代表されるモーターサウンド)ところが“何故か”施設は反対するんだ。
俺達のやっているレースは興行の部分もあるとは前述の通りだ。例えば同じ日に開催される2&4レースでも認めない。同じ日に2・4輪の走り、音を見聞きした観客は俺達のレースに魅力を感じるだろうか?ガラも音も小さなレーシングマシン。コーナーのバトル?ホームストレートにいる観客からはビジョンでしか見る事は出来ない(それすら無い施設では?)。せめて音ぐらい・・・これだけ長い事レースをやって来て観客増が無い、いい加減に施設が何をしなければ観客が増えないかを考えて欲しい。
九州の施設のように、あらぬ方向で来場者を増やす手法が取られ、俺達のレースそのものは二の次になっているのでは?と思えるようでは、本末転倒と言わざるを得ない。

シーズンが終わり挨拶回りや納会の季節だ。俺達を応援して頂いている協賛各社の皆さんの顔が、もっともっと明るいものにならないといけない。