Vol.154   悲しい出来事。

夕方からTVの前を陣取ってサンマリノGPを見てた。

その瞬間は“ヤバイ!”って感じだった。俺達は長い事レースやってる、そうすると直感みたいなモノなんだけど、その感じはかなりの確率で当たってるんだ。反面、「頼む!無事でいてくれ」頭の中で二つの考えが交錯する。

昨日のレースで富沢祥也が亡くなった。祥也は7Cの時代から応援している、タカと仲が良かったのもあるが、その明るいキャラクターは誰からも愛される。モトGPのレース後記者会見でのロッシのコメントでも分かるその明るいキャラ。

俺達のやっているレースは確かに危険と隣り合わせだ。誰だって事故に巻き込まれたくない。しかし現実には昨日のような事が起きるんだ。レーサーの凄いところは、一般人じゃ絶対に出来ないようなライディングをするところだ。ましてGPの舞台で優勝するなんて、難しさからいったら厳冬のエベレスト登頂に等しいと思う。だから一般人には無理なんだ。その事を分かっているから一般人はレーサーにエールを送る。それがヨーロッパなら最大級の賛辞を贈られる。
祥也はそのヨーロッパ大陸で逝った。モータースポーツの難しさ・厳しさを乗り越えた者に対する最大級の賛辞を背に祥也は息を引き取った。「お前はその瞬間まで光輝いていたよ、お前のファイトにみんなが手に汗握っていたよ」

生半可な気持ちじゃない、本物のスピリットでモータースポーツの本場に切り込んで行った祥也。いつもお前の周りには笑顔の人間がいたね。明るいキャラクターがそうさせたんだな。

祥也の意志を俺達は受け継いで行くだろう、祥也のような元気なライダーを排出して行くだろう、富沢祥也というライダーが存在した事をいつまでも忘れないために。

富沢祥也 享年19歳 ご冥福をお祈りします 合掌