Vol.115  やられた!

今年の開幕戦が昨日筑波サーキットで行われた。開幕戦は通常より一日多くスポーツ走行が設定されている。先のテストで好感触だった小西が何だか元気が無い。理由を聞くと「何でだか分からないけどタイムに結び付かないんですよ~」複雑な顔してる。「何だ~!この前のテストは?」俺は思わず声を出した。龍太も深刻な顔して光太郎と話してる。(チョット嫌な感じ)小西は走行の度に上がったり、下がったり安定感が無い。ただ、本人がマシンに対しての感触はいいと言うので困ったもんだ。良くある話だ、イイ・イイって口だけで全然イかない?・・・(笑)バイクも同じ。フィーリングが良くても実際は全然行けてない、本人はイイ感じなので気持ちはOKなんだけど、タイムは・・・?俺はコースサイドで見てて、確かに雰囲気は出てる。前にも進んでる(良く加速してるの意)だけどタイムがイマイチ(汗)(タイムが出ていなくてもトップクラスではあるが)

予選ではフロントローに並んだものの、一抹の不安が残っていた。
龍太も同じ、新しいセッティングでトライを続けたが結局ものに出来ず、従来のセットに戻し予選ポジションはナント!16番手。狭い筑波でこのスタートポジションはキツイ。もう何を言ってもしょうがない、「行くしかないな」俺達は龍太の決勝パワーに期待するしかない。(あんなに一生懸命テストやったのにー)悪い方にハマる時の典型的なパターンだ。

二人を尻目に辰也はどんどん調子を上げてきた。朝のフリー走行では余裕のラップ、いい感じだ!(かなり行けるな)俺はチーフの堀尾と話をした。(しかし、あんな落とし穴があるとは、その時は知る由もない)

600の決勝では小西がいつものようにスタートからレースを引っ張った・・・だけど、引き離せない(これはヤバい)引き離せないなら一旦下がって様子を見るのも手だけど、男・小西はそんなレースはしない、ひたすら頑張る。散々後ろの連中に走りを見られ勝負を賭けられた時には、もはや万事休す。完走しながら表彰台に上がらなかったのは何時以来だろう?記憶が無い。後方から龍太も頑張ったが10位が精一杯だった。これは俺達に与えられた試練と受け止め、気持もマシンもリセットして次回オートポリスはリベンジだ。

試練が続いた。辰也のCBRが突然原因不明のトラブル発生!それもサイティングラップで、グリッドで思い付く箇所をチェックし部品交換しスタート。一周目に多重クラッシュがあり赤旗。戻ってきた辰也が「ダメ!変わらない!」叫ぶ。次スタートまでに更にチェックし別部品交換。二度目のスタートでまたも赤旗中断、まだ調子が悪い。運がいいのか悪いのか、とにかくやれる限りのことはしないと、短い時間の中でスペアマシンからすべての電装品を移植する。三度目のスタートが切られた、俺達のマシンはまだピット。そう、間に合わないのだ。俺は辰也に「ピットスタートでも上位には行ける、頑張れ」トップグループがバックストレートに掛った時辰也はピットを離れた。怒涛の追い上げを見せた辰也だったが、度重なるアクシデントで25周に短縮された事もあり、6位までポジションを上げたところで無情にもチェッカー。

レースなんていつも上手く行く訳じゃない事は百も承知だけど、仕上がりが良かっただけに。(逃がした魚は大きい)JSBも次回リベンジになってしまった。

前日からケンタの誕生日で盛り上がってたTSRチームがST600で1・2フィニッシュ、ハルクで2003年にやって以来の快挙(拍手)

もう一人盛り上がってたのが小室旭。地元筑波で歓喜の優勝!今年自分でチームを立ち上げ、英と松井の三人でコツコツと仕上げてきた結果が優勝。小室が本当に嬉しそうな顔してたし、松井は感極まって号泣、俺も思わず涙腺がゆるんだ。(苦笑)
池さんが坂田賞(80年代にバムさんで走ってた坂田君のご両親が、事故で亡くなった息子の意志を受けて20年以上の長きに渡って全日本に提供している賞)を出してくれてたので喜びが倍増!俺は小室に優勝記念パーティーの日取りを確認しておいた(笑)