Vol.108  ’09新年

新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

今年はどんなシーズンになるのだろう?昨年の終わり頃には全日本参戦チームの撤退が続き、今年参戦するチームの顔ぶれが見えない。
年末のあ~言えばこうゆう会(日本のコンストラクターの飲み仲間)の忘年会で、忠さんも言ってた。「来年は全日本出来るかどうか分かんないよ」忠さんは俺と同じ、80年代中頃から全日本を休まず参戦(ヨシムラ・SP忠男・ハルク・プロ、他に思い当たらない)してきた数少ないチームのひとつだから、その言葉には寂しさを覚えた。
今月末にはエントリーが出揃うと思うので今年の陣容が見えてくるだろう。

ハルク・プロは今年、悲願のJSBクラス初優勝を目指す、その先には当然チャンピオンがある。厳しい状況の中だけど、やるからには勝ちたい。ライダーの山口辰也には早いうちに優勝して欲しいな、それが俺達のクラス初優勝につながるだけでなく、ハルク・プロとしてトップカテゴリーを制する第一歩になる訳だから。
俺達もJSBクラスについてはもう充分経験を積んだ、優勝するには何が足りないかも分かった、やるだけの事はやったつもりだ、後は結果が付いてくればいい。

レースを戦う時、考える事はみんな同じだと思う。勝利、そのふた文字のために多くの人達が切磋琢磨するんだ。そこにはプライベーターもワークスも無い、各々の出来る範囲で精一杯やるんだ、そうすると見えなかった物が見えてくる、そして何が必要かが分ってくる。言うまでも無くJSBクラスは全日本のトップカテゴリーだ、景気の後退によるエントリー数の減少は否めない、今後このクラスが存続出来るかも不透明だ、だからこそ勝ちたいし、全日本の歴史に名を刻みたいんだ。

俺達は全日本のカテゴリーを見直し、新たなクラスの必要性を訴えてきた。今年GP250クラスに混走が認められたプロト600がその第一歩だ。
ST600クラスはその使命を充分満たした。本来は普及クラスを目論んで出来たクラスだったが、時代の変革と共に当初の目的からは少しずつずれが生じ、難しいクラスになってしまったのだ。協会は多くの参加者を目論み、ローコスト、イコールコンディションを謳ったが、もろくも外れた。それはそうだ、規則を厳しくすれば改造範囲が狭くなり新型のマシンに目が向いてしまう、それが結果的にハイコストにつながってしまう事になるんだ。金銭的に苦しいプライベーターが限界を感じリタイヤして行くのは止める事が出来ない理由がそこにある。
改造自由なクラスを新設した事で、型遅れだろうが何だろうが、関係なく参加出来るクラスがやっと出来た。取敢えず、ガレージにしまいこんだマシンを引っ張り出し、250用のスリックタイヤでいいよ、走らせることだ。忘れ掛けてた楽しさが甦るはずだ。