Vol.87  筑波は今年も雨だった。

今年の筑波も雨が降った。何でいつも雨が降るんだろう?不思議でしょうがない。ご存知の通り筑波には常時使用出来るピットが無い、皆んな共同で使用するんだ。コースの外側にガレージがあるので走行の度にガレージとピットを行き来しなければならない。
俺は松葉杖をつきながら傘?とても無理だ、しょうがないからポンチョ被ってスクーター乗って移動したよ、(汗)いい年したオッサンがポンチョ着て松葉杖片手にスクーター乗ってるから、興味半分か、一体?何人に理由を説明したことか。(苦笑)

そんなことより土曜日の予選が雨になったのは本当に参った。今回ヤスの代理で乗ってくれた岡田は雨のテストをまったく経験していない。ドライのテストは精力的にこなしてくれたので何とかなるかな?って言うところまでは行ってた、しかし雨。!神様はいたずら好きだね。短い予選セッションではウエットセットを出し切れず、グリッドは俺達に与えられた権利であるシード権を使って得るしかなかった。ここから今回の筑波で数多く発生した問題の始まりがあった。

シード権は今年JSBのトップチームに与えられた権利のひとつである。ところが問題はその運用の仕方だ。筑波サーキットは短く小さいので大きくて速いJSBクラスは決勝出場台数を制限しようとの働き掛けで、グリッド数はMAX24台。基本は21台だがシード権を行使出来る台数が3台あるのでMAX24台。予選通過タイムを出せなかった俺達が大きなことは言えないけど、岡田は22番目のグリッドに付くのがルールだと思う。残りの二つのグリッドは空けるべきだ。岡田を24番グリッドに入れたから、24位のライダーが可哀相だよ、当然クレームが出た(当たり前だ)まったく事の本質を理解していない決定だと言わざるを得ない。
決勝はドライだったので岡田は最後尾から怒涛の追い上げ。14台を抜いてゴールした。

ST600では2番手スタートの小西が微妙なドライレースを見事にコントロール独走で優勝したが。・・・まさかの白旗無視の疑いがかけられ、順位降格のペナルティー。俺は即座にMFJ規律裁定委員会に控訴した。(レース正式結果を出すのは大会審査委員会だが、この決定を不服とし、再審議を求めるのがMFJ規律裁定委員会)

小西が違反を犯したかどうかは今後規律裁定委員会に委ねるとして、あの難しいレースで見事な勝ち方をした小西を冒涜するような行為は、相手が誰であっても許せない、混乱した中で抜いた抜かれたでは無く、余裕でトップに立ったライダーである、彼の技術とスポーツマシップを称え称賛するべきなのだ。

もうひとつの問題はプロト2の小室だった。予選まで数多くのトラブルがあり満足に走れなかった小室が、朝のフリー走行でやっと笑顔が戻って来たからホッとしていたのも束の間、決勝は目を被いたくなるような走りだった。原因はまだ分っていないけど深刻な問題だった。俺はホントに悲しかったよ、もてぎでは小室に悲しい思いをさせ、彼のホームコースである筑波でこの成績、一瞬気を失いそうだった。

次はオートポリス、HP250にとっては厳しいコースレイアウトだけど、やり始めたからには後には引けない、新たなトライの仕方で小室の期待に応えられるマシンを造ろう。

今回の結果で小西の闘争心にも火が点いた(もちろん!ハルクチーム全体も)オートポリスには気合の塊となったハルクチームが参上する。