Vol.78  4st250クラス

今をさかのぼる事5年前。国内ロードレースに新たな風を興したいとMFJから提案があった。当時何人かのコンストラクター代表が会議の席についたが、翌年から走らせるマシンについては全く白紙の状態だったのを覚えている。
俺は、NX4(RS125R)の車体で4stエンジンを搭載したら良く旋回する面白いマシンになるだろうなと思い、早速実行したんだ。
初期のGP-MONOクラスはそうやって始った。
確か20数台の改造マシンを制作したと思う。その後、RSの中古車市場も上がって、中古車両を見つけるのも難しくなったので新規に車両を制作する事になった訳。

昨年俺達がリリースしたGPMR250Xは、苦心の作品だった。
マシンそのものは順調に仕上がり、チャンピオンも獲得出来たので処女作にしては合格点を貰える出来栄えだと自負しているが、何と言っても売価設定に苦労した。事の始まりが新クラスを立ち上げ国内ロードレースの普及発展の為、と言う事から、「出来るだけ売価を下げて欲しい」というMFJの要望を受けた俺は関係各所に回り、協力を取り付けた結果の物だったんだ(ホントに協力各社には感謝している)。
今年も普及クラスのGP-MONO用にGPMR250Xは継続してリリースしていく。
もちろん価格は据え置。

今年GP-MONOとは別に新たなクラスが出来た。
俺がかねてから進めたかったGPフォーミュラークラス。今年は暫定期間で、プロト2というクラスになるが、カテゴリーなんてどうでもいいんだ。最近、改造制限の多い市販車のレースばかりなので、俺達が貯め込んだノウハウがなかなか発揮できる場がなかったが、とうとうこれで、フルに発揮出来るクラスが出来た。一定の基準はあるが、基本的にGPクラスなので改造はほぼ自由になっている。
やっぱりレースはこうでなくちゃな。

ハルク・プロ市販マシンもリリースする。
価格は高めになるけどね。

様々な意見は有ると思うけど、新しい事を始めようと思ったらまずスタートする事。
じゃなけりゃ何も始らない。
ウチも今年のマシンは頑張ってる。HP250RFとネーミングした新たなマシンは昨年型に大幅なモディファイを加えたものになってる。
今から走らせるのが楽しみでしょうがない。

何はともあれ久し振りにGPフォーミュラークラスが出来たんだ。何とか全日本もこれを機に活性化して欲しいと思うのは俺だけじゃないよな。
今年はウチもチームで参戦するよ。
フレーム作りで多大な協力者だった鈴鹿のスクエア松本社長と合同チームを結成して、小室旭をライダーに表彰台のてっぺん目指して頑張る。

松本浩一ツッァンは飲兵衛だから今年は更に飲む機会が増えるな。
困った困った(苦笑)。
まあ、シーズンが終わった時に二人で美味い酒を飲みたいもんだ。