Vol.33  オートポリス

今年のオートポリスはきつかった。毎日雨、風、霧で体が腐りそうだったよ。毎年天気が良く、景色がいいオートポリスなのに残念だったな。
今回は、タカがオートポリス初デビューなので少し緊張した。
金曜日のART走行会から、ずーっとウエットコンディションだったので予選が終わった段階でタカは、「決勝も雨だったら100%勝ちます」と宣言。昨日初めて走ったばかりコースなのになんていう自信だ、末恐ろしい少年である。
ところがそうは問屋が卸さない、タカの希望通りには行かず、決勝日は完全ドライ、その上強風が吹くというオマケまで付いてきた。なにせ走った事が無いからセッティングなんて全然分らない、しかしそこは気合と根性で乗り切って我チーム、(もちろん経験もたくさんあるが)一発セッティングでタカをコースに送り出す。
実は決勝日の朝とんでもない事態になっていた。タカの腕が上がらない、それを見た俺は事の重大さに驚いた。普通ライダーが怪我をするのはコース上である、だから転倒もしてないタカが怪我してるなんて思いもしない、ところがタカは結構な重症を負っていた。実は前日チームスウイートから降りてくる時に足を滑らし階段から転げ落ちたとの事、肩をしたたか打ったらしい。決勝前に一生懸命整備してくれたメカさんへの遠慮で、一言も言わなかった。我慢強い奴はたくさんいるしレース前に駄目ですって言うライダーがいないのも知ってるが、タカは見た目にひどい状況だった。俺は慌ててHMJ帯同のトレーナーのサコちゃんのところへタカを連れて行き手当てしてもらった。
お陰でワンレース持ちました。「サコちゃんありがとう」
レースでは最初様子を見ていたが、ペースを上げ始めたタカに付いてくるライダーは居ず、またもやブッチギリの優勝だった。
「良かったなタカ、でも本当は凄く痛かったんだよな。」
翌日自宅近くの病院で診察を受けたら、完全固定2週間の診断だった。
そんなタカの活躍に刺激されたか、ヤスも頑張った。昨年はチャンピオンになりながらも勝ち星が無く、今シーズン何度も勝つチャンスがありながら勝てなかったヤスが、とうとう勝ったのだ、それもいちばん勝ちたい辻村相手に。久し振りの勝利にヤスも嬉そうだったが、ヤスと同じに勝利を待ち焦がれてた俺達もホントに嬉しかったよ。「やったなヤス」
森新も徐々に慣れてきたようで、少しづつ上位でレースが出来るようになって来た。このところ調子が上がらなかったコニーは、かなり良くなってきたようで、スタート前も舌好調だったが少し上ずったかな?でも復調の兆しが見えてきたのは嬉しい。
いよいよ来週は300Kmだ。8耐が近づいてきた証拠だ。
その前に俺も鈴鹿走ってこないと、今年はMINI-MOTO4耐に出るんだ。明日集合で練習するそうだ。帰ってきたら又報告することにしよう。