2019年全日本ロードレース選手権第4戦筑波

 

RACE1

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名越哲平
「事前テストは気温が高い中、ドライで走行することができましたし、内容的には充実したものでした。マシンと自分がマッチして良くなる方向だったので、レースウイークに入ってもその流れで作業を進めました。ただ、金曜日はドライで走れたのですが事前テストの時ほど路面温度は上がらず、そこは多少アジャストが必要となったのですが、ベースがしっかりできていたので、金曜日はトップタイムで終わることができました。土曜日の予選は金曜と同じコンディションだったのでコースレコードもねらったのですがコンマ1秒ほど届かずに終わりました。超えられなかったのは残念ですが、他のコースと比べるとレコード近くまでいけたので仕上がりの良さを確認することができました。レース1は急に雨になってしまい、それでも雨も得意なのでドライでもどちらでもいけると思ったのですが、うまく雨に合わせきれず、苦しいレースになってしまいました。でも翌日のレースも雨の可能性があるし、レース2に繋がる材料を見付けようとプッシュし、良い点、悪い点を見付けていきました。日曜日の朝フリーはどちらの天気に転んでも良いように、いつも以上に最初からプッシュ。2周目に58秒0、路面温度が低い状況でもベストが57.3まで出たので、落ち着いていけばいけるという手応えをそこでつかみました。途中雨が降ってきたりしてペースを上げにくい状況もありましたが、タイヤが温まってからは自分のペースに持っていくことができ、タイムも57.4まで出て、そのアベレージで走ることができ、終わってみれば独走に持ち込めたので、レースとしては良かったのかなと思います。」

榎戸育寛
「事前テストはすごく良い流れでロングランもでき、今までのレースとは比較ならないくらい良い状態でレースウイーク入りすることができました。テストでやり残しの部分をさらに継続して作業したのがこのレースウイークで、ただしドライに関してはライバルに対して今ひとつ差を付けられてしまい、さらに予選では転倒もしてしまい、苦しくなってしまいました。レース1は雨になって、初のブリヂストンレイン、あのマシンでもウエットは初と状況的には厳しかったのですが、サイティングラップを3周したらフィーリングがそこで掴めたのでスタートに集中し、ホールショットも奪えて自分のリズムに持ち込めたのが大きかったですね。レース2はドライになり、でも途中で小雨がパラついてきて、白線に乗ったらすごく滑って危なかったのでアピールしたのですが、そこで自分のライディングが少し雑になってしまいました。2番手争いの中で何度か前に出ようとチャレンジしたのですが結果的には負けて3位になり、悔しかったです。とは言え、第2レースでもトップ争いに加わることができましたし、課題は明確になったので、大きな成果を得たレースでした。」

 

RACE1

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上原大輝
「インターバルでトレーニングしたりいろんな方にアドバイスをいただいたりしながら流れを良い方向へ持っていこうとトライしていたのですが、他車に接触されたりトラブルが出たりして、不完全燃焼のレースとなってしまいました。自分なりに課題も明確になりましたし、まずはケガをしっかり治し、後半戦に流れを変えて巻き返せるよう頑張ります。」

本田重樹監督
「J-GP2の第1レースは覚悟していた雨が実際に降ってしまいました。結果からするとチームで1−2となり、そういう意味では良かったのですが、セッティングの差があり、自分たちが施したセッティングを上手に使った榎戸が名越を少し上回り、それが順位となったレース1でした。名越は名越でセッティング的に厳しくなった部分をライディングでカバーして2位をキープ。その順位を維持してランキングトップを守ることができ、良い形でレース2に繋げられました。レース2は、ドライで自信を持っていた名越が思い通りのレースをし、食らいついてきたライバルを尻目に、アベレージも良かったですし、途中小雨が落ちてきましたが、それをものともせずに自分の走りを最後まで貫いた結果、優勝できたのは本人にとっても大きな自信になったと思います。一方の榎戸は途中で少し弱気になり、アピールしたりして、それは悪いことではないと思いますが、その状況でそれが認められるのはトップを走っている選手なので、もう少しそこでレースに集中して走っていれば、多少違う結果が出たのかな、と思います。それでも2レースで1位、3位といずれも表彰台に上れたのは今後のレースに向けて良い弾みになると思います。ST600の上原はレース1で不運なアクシデントに見舞われてしまい、レース2ではその転倒で負ったケガというハンディを負っての戦いになりました。途中、メカトラブルもあって残念な結果になりましたが、上向きの兆しはあるので、このインターバルで見直し、トレーニング含めてしっかりと行い、残りのレースを頑張ってほしいと思います。」

堀尾勇治チーフメカニック
「ST600の上原は噛み合わないレースが続き、今回も不運に見舞われてしまいました。徐々に良くなる気配を見せているのですが、なかなかうまく噛み合わない状態です。とは言え、そうした状況でも結果を出して流れを変えるのはそれもライダーの力なので、ここでインターバルに入ることでもあるし、身体のケアもしっかりして仕切り直ししてほしいと思います。J-GP2クラスの榎戸は前回のレースで表彰台に上がり、今回はホームコースである筑波で、テストから意欲的にトライしました。2種類あるタイヤの内、榎戸は幅のある方を選択。名越含めたライバルは昨年のレースでかなり路面温度が上がって苦労させられたため、ハード方向のタイヤを選んだのですが、結果的にレースウイークはそこまで気温が上がらなかったことから、榎戸の選択したタイヤが使い方次第ではうまくまとめられる可能性がありました。実際に蓋を開けてみると、名越含めたライバルたちはハードタイヤでもライディングでそれをカバーし、アベレージは榎戸を上回っていました。そんな流れの中でレース1はウエットになり、あのマシンで初のウエット、ブリヂストンのウエットタイヤを履くのも初という状況の中、ライダーの技量が問われるところで榎戸が勝ちきったのは見事でした。対して名越はそこで負けてしまったわけですが、ドライでは負けないとレース後に公言し、レース2ではそれを証明して見せました。100点満点ではありませんが、置かれた状況の中で2人とも良い戦いをしてくれたと思います。ぜひ上原もチームのその流れに加わってほしいですね。」