2017年全日本ロードレース選手権第5戦オートポリス

高橋 巧
「残念の一言です。難しいコンディションではあったけど、まだ余裕はありましたし、中須賀さんの後ろに追い付いて、少し様子を見てから勝負しようと思っていたその矢先だったので、悔しくて仕方ありません。テスト、ウイークと決して状態として良かったわけではないですが、回りと比較すると、それほど悪い状態ではなかったと思います。ペース的にもまだ余裕があったし、全力を出し切る前に終わってしまったので、本当に悔しいです。」

水野 涼
「テストから調子が良くてロングランもできていましたし、今までの全日本の中でいちばん自信を持って決勝に臨むことができました。決勝は難しいコンディションになってしまい、関口さんの方がマシンの状態的には良さそうでしたが、コーナーのアプローチには絶対的自信を持っていたのでそこで勝負をして最後は押さえました。良い流れになっているので、このままの勢いでいきたいですね。」

名越哲平
「テストからドライの調子が良く、ウエットもSUGO、もてぎと良いフィーリングで走れていたので、どちらのコンディションでも良いと思ってました。ただ、中途半端な状況だけは避けたかったのですが、今日のレースはそういうコンディションになってしまい、それが厳しかったです。予選も短い時間なので本当はピットに戻ってセットアップも変えてみたかったのですがそれは止め、着実にタイムアップできるよう走りました。その結果、全日本初のフロントロウに並ぶことができ、良い緊張感で決勝に臨むことができました。自信はあったのですが、コンディションが難しくてペースを上げることができず、引き離されての2位争いになってしまいました。途中、その集団の後ろまで下がってしまって厳しかったのですが、もう一度トライしたらペースも上がってきて、できればその集団の前の2位でゴールしたかったのですが、経験不足と詰める部分が少し詰め切れていないこともあって3位でチェッカーとなってしまいました。でも久々の表彰台ですし、素直に喜びたいと思います。全日本残り2戦、アジア選手権は3戦あるので、この流れを崩さず、優勝でシーズンを締めくくりたいと思います。」

本田重樹監督
「JP250の上原大輝は金曜日の練習走行で初めてのコースにも関わらず、他を圧倒するタイムを叩き出し予選・決勝に期待が持てましたが、残念ながら悪天候によりレースがキャンセルされてしまい、パフォーマンスを見せる事が出来ませんでした。ST600名越哲平は前回のもてぎから少しずつ上向きになってきています。その流れで予選でも良い走りを見せフロントローに並び、決勝も期待を持たせました。トップを走る國峰啄磨は序盤からペースが良いのに対し、不安定な路面で慎重になった名越は二番手争いを繰り広げ、結果的に最後に逆転されて3位になりました。ですが久し振りの表彰台は今後の活躍を予感させます。J-GP2の水野涼は、金曜日のART走行からトップレベルの走りを維持し、予選でも2番手を2秒以上離す快走を見せました。決勝でもその勢いを維持し、必要に食い下がる2番手を上手くコントロールして優勝。チャンピオンシップポイントでも圧倒的優位に立ちました。JSB1000クラスの高橋巧は悪天候に翻弄されたレースでしたが、常に速さを見せ、勝ちが見え始めた時に悔しいマシントラブルでリタイヤを余儀なくされました。巧にとって長い事出来なかったライバル選手とのバトルが残念な形で終了してしまい、我々も言葉を失いました。しかし、我々は7月の8耐本番に向け気を取り直し、全力で戦い続けます。巧も過ぎた事は忘れ、前向きに考えてくれているのでリベンジは8耐で、という事になります。」

堀尾勇治チーフメカニック
「ST600クラスの名越はやっと実力の片鱗を見せ始めました。チームの回りが調子良いので、苦しい状況になっていたようですが、元々速さはありますし、持っている力を出せれれば表彰台は上れるので、それを今日は証明できたと思います。勝ったのが同じホンダに乗ってるライダーということで悔しさもより大きいでしょうが、次からはリラックスして力を出し切り、トップ争いをしてほしいと思います。J-GP2の水野は関口太郎選手の粘り強い走りによって、本田メカニックが後続を引き離すプログラムを組んでいたのですが、それができなかったのが今後の課題と言えます。とは言え、強いパッケージングになると、そうしたプログラムを組むことができるわけで、ノリに乗っている感じですね。この流れを崩さず、このあとは鈴鹿8耐に向けてテストになりますからそこで良い経験を積み、例えば今年の日本GPで声がかかったとき、良い状態でMoto2マシンに乗れるようになると良いと思います。JSB1000の高橋はちょっともったいないレースになってしまい、本当に申し訳なく思います。ウイーク通してマシンがすごく決まっていたかというと決してそんなことはなかったのですが、ただ、こういう荒れた展開になり、16・5インチのときのタイムから比べるとまだまだ及ばないのですが、それでも勝負する土俵には上がれていたと思います。雨の中、一発目に履いたタイヤがコンディションに合わず、苦しむ中でブリヂストン勢の中ではトップに付けることもできていたし、そのあたりのアジャストができれば、朝のウォームアップ走行でもトップタイムをマークできていたし、レースも最初のスタートではトップを快走。仕切り直しでは追い上げの形になったけど、ファステストをマークしながら追い上げて、様子を見るところにまでは持ち込めていました。テストがすぐ始まりますが、原因をしっかり究明し、今後はこうしたことが起きないようにして、しっかりと8耐で勝利していきたいと思います。今日は本当に巧を勝たせてやりたかったです。8耐ではそれができるよう頑張ります。」