2015年全日本ロードレース選手権第2戦 オートポリス


高橋 巧
「予選からマシンのバランスがうまく取れず、このレースウイークはなかなか気持ち良く走ることができませんでした。トップのペースは付いて行けないほどのものではなかったし、マシンがもう少しうまくまとまればあの集団の前に出ることは難しくなかったと思います。」

浦本修充
「初日からちょっとずつ、足踏みせずに前進できたレースウイークでした。事前テストは自分のミスでケガをしてしまい不参加。一歩ライバルに対して出遅れたところでレースウイークをスタートせざるを得なかったのですが、少しずつ詰められたのは良かった点です。JSBの走らせ方も少しずつ分かってきましたし、次は体調がもっと良くなると思うので、トップ争いに加われるよう、しっかりとテストから走りたいと思います。」


水野 涼
「ケガをしてしまっているので、レースウイークはとにかく焦らず、日曜日の決勝に間に合えば良いとチームスタッフがアドバイスしてくれたので、着実に走ることだけを考えました。決勝はペース的に余裕はあったのですが、体重がライバルよりも重いため、どうしてもストレートで抜かされてしまうので、無理せず一度後ろに下がり、タイミングを見てもう一度前に出ようと考えたのですが、それは少し消極的な考えだったようです。ミスもあり、集団の後ろでフィニッシュとなってしまいました。次は行けるときにしっかりとペースを上げ、集団を積極的にコントロールしたいと思います。」

MuSASHi RT Jr.
栗原圭介
「レースウイークはずっと調子が良く、工藤さんがマシンをしっかりサポートしてくれることもあり、走りに集中することができました。でも決勝ではトップの2台に付いて行けなかったのが悔しいです。テストからしっかりとマシンをセットアップし、次は最後まで優勝争いに加われるように準備していきたいと思います。」

本田重樹監督
「JSB1000クラスの高橋 巧は、毎回苦しい戦いを強いられています。一発タイムは出せるのですが、アベレージになると厳しい。特に前回の鈴鹿、そしてここオートポリスとロングストレートを持つコースだと、コーナリングスピードでタイムを稼がなければならない我々にとっては非常に厳しい戦いとなります。今回もストレートで離され、コーナーでその差を詰める、ということをずっと繰り返す展開となりました。彼も悔しいでしょうが、我々はもっと悔しさを感じています。少しでもレベルアップ出来るよう、我々のできる範疇で、ハードをもう少し巧にとって有利な展開に持ち込めるようにバックアップしたいと思います。浦本修充は、まだ本来の体調ではない中で、前回の鈴鹿よりもさらにレベルアップしたリザルトを出しました。特にレース終盤は、前回のウイナーである津田拓也選手を相手にバトルしたことは、浦本にとってとても自信になると思いますし、今後の飛躍のきっかけにして欲しいですね。今後がとても楽しみです。J-GP3のMuSASHi RT Jr.の栗原圭介は練習走行から好調で、それを維持して予選でフロントロー。さらに決勝ではその位置を落とすことなく3位でフィニッシュと頑張りました。特に最後のバトルはベテラン勢を相手に、きちんとその一番前でゴールしたことは、今後の彼のレース人生に必ず役に立つ経験になるはずです。水野 涼は身体が完全に治りきらず、それをかばいながらのライディングだったのですが、金曜日からどんどんタイムが上がり、きちんとレースではこのウイークの自己ベストを出すことができました。シングルフィニッシュしたということはやはり実力あるライダーである、ということの証明だと思います。早く身体を治し、ハルク・プロ久々のワン・ツーフィニッシュを目指して欲しいですね。またST600クラスは、MuSAShiスカラーシップ卒業ライダーのデビューレースとなりました。今年、彼ら二人にとって初めての600ccバイクということで、経験を積みながらのレースとなります。そんな中、決勝ではコースの自己ベストに近いタイムを記録しながらポジションを上げていきました。特に名越は着実にポジションを上げ、リザルト11位まで上がれたのは、さすが去年、ADCで揉まれてきたことだけあると思います。水澤は慎重なライダーで、石橋を叩いて渡るタイプなのは分かっているので、焦らず、着実にステップアップしていけばいいと思います。今シーズン1年かけて成長し、MFJ-GPでどんなレースをしてくれるか、今から楽しみです。」

堀尾勇治チーフメカニック
「高橋巧は開幕戦に比べると一段階段を上がることはできたけど、その先までにはまだ到達することができなかった、というレースでした。レース終盤で勝負できるマシンに仕上がっていると思っていたのですが、実際はそのレベルにまで至っていませんでした。ライダーは乗れているので、なんとかハード側でその走りを支えたいのですが、なかなかそれが実現できない状態が続いています。浦本修充は金星ですね。まだJSB1000のマシンに慣れなければならないので、今回もマシンはほとんどいじらず、チームで設定した仕様でとにかく走り続けるようアドバイスしました。データ的にもかなり巧のレベルに近付いているとは思います。J-GP3クラスの栗原圭介は、ベテランの工藤メカに色々教えてもらいながらレベルアップしてきています。それが今回、形になったのだと思います。今回はトップが見えなかったので、ぜひ次回は最後まで前が見える位置でレースをして欲しいですね。水野涼は勝ちを知っているライダーなので、体調さえ普通なら、トップ争いに加われるはずです。次は取り返してくれると思います。」