2013年全日本ロードレース選手権第4戦筑波

高橋巧「金曜、土曜となかなか自分の思うようなマシンに仕上げられず、予選位置は7番手と厳しいものになってしまいました。スタートダッシュが重要になるので、とにかくアウトから思い切り入って前に出ようとしたのですがミスしてしまい、抜くのに手間取ってしまってトップには追い付きませんでした。鈴鹿ではテストで良いセットを見付け、シーズン後半もその勢いで行きたいと思います。」

浦本修充「もてぎ、オートポリスのテストと去年の自己ベストをコンマ3秒くらい上回るタイムを出すことができていて、自分的には良いリズムで走ることが出来つつあると感じていたのですが、筑波の事前テストが雨とドライ、両方のコンディションになってしまい、勢いをそこで失ってしまいました。周回を重ねて自分のリズムを取り戻そうとこのレースウイークでは考えていたのですが、金曜日の午後のセッションでミスをしてしまって転倒。またちょっとリズムを崩してしまい、決勝ではさらに去年の転倒もあったので慎重になりすぎ、開幕戦に続く5位で終わってしまいました。不完全燃焼のレースで悔しいし何もできなかった自分自身に腹が立ちますが、決勝日朝のウォームアップ走行で自分のイメージ通りに走ることができてトップタイムもマークできたことは大きな自信になりました。マシンのセッティングを決め、自分のリズムで走ればそれほど頑張らなくてもトップタイムを出すことができるんだということは確認できたので、この感覚を大切にし、次のもてぎでは勝ちをねらいたいと思います。」

亀谷長純「金曜、土曜といろいろ試したのですがタイムが思うように上げられず、予選位置は16番手と最悪でした。決勝朝のウォームアップ走行で試したセッティングが良いフィーリングだったので、それをさらに進めたセットで決勝に臨み、何とか6位まで順位を上げることができましたが、チーム、スポンサーさんの期待する位置はもっと上ですし、それだけのポテンシャルは持っているパッケージだと思うので、さらに精進して上を目指したいと思います。」

本田重樹監督「久々のドライのレースとなったST600クラス。亀谷はセッティングに苦労して予選ポジション16位とあまり良いものを得られなかったのですが、決勝朝にみんなで相談して冒険的なセッティングを施してウォームアップ走行に臨んだところ、ライダーのフィーリングは悪くないということでした。そこでさらにそれを推し進めた仕様で決勝に向かいました。その結果、パーフェクトではなかったのですが、今まで我々が抱えていたネガティブな部分がずいぶん消え、良い方向性を見いだすことができました。惜しむらくはもう少し早いタイミングでこうしたセッティングが施せていれば、結果はもっと違ったものになったはずでそれが残念です。そうした厳しい状況の中でもベテランの亀谷は非常によく頑張ってくれて、最終的に6位になれたことは次につながる結果だと感じています。J-GP2の浦本はなかなかペースがつかめず、ここのところちょっとスランプ気味だったのですが、決勝日朝のウォームアップ走行で良いセットが見付かり、トップタイムを記録することができました。これでスタートさえうまくいけば良いレースになると期待したのですが、序盤で慎重になりすぎたようで、その段階でトップとの差が大きなものとなり、後半追い上げることができずに終わってしまいました。残念な結果で、浦本には最低でも表彰台に上がってほしかったのですが、少しずつ調子が上向きになっていますし、次のレースは去年、彼が優勝している夏のツインリンクもてぎなのでもう少し上のポジション、できれば去年同様、優勝という結果を実現したいと思います。JSB1000クラスの高橋は、予選ポジションの悪さがすべてでした。スタート前、彼にはこのレースではとにかくスタートがとても大事だと話し、高橋自身もそれはしっかりと認識していたと思うのですが残念ながらうまくいかず、レース序盤でトップとの差を付けられてしまい、2位に上がったときに1位との差が大きなものとなってしまっていました。予選のポジション取りは非常に重要なことであることを本人が再確認したと思いますし、彼の場合はフロントローに常にいて当たり前の力を持つライダーですから、次戦以降はそのあたりをしっかりと意識して、フリー走行から走ってもらいたいと思います。とはいえ、このレースを終えてチームは一気に8耐モードになるわけで、そこへ向けて2位という結果で終えたという意義は大きなものがあると感じています。1ヶ月後の8耐がとても楽しみになってきました。今回もたくさんの応援をいただき、ありがとうございました。」
堀尾勇治チーフメカニック「ST600クラスの亀谷は地元のレースということで特に結果を残したいと意欲的でした。ST600クラスですから改造範囲が狭いのでできることは限られているのですが、チームサイドもそれに応えようとトライし、エンジンも数機組みんでチェックし、その中でベストのものを持ち込んだりしました。ですがなかなかそれでも他社に対してアドバンテージを作れるかというとそう簡単な話ではなく、厳しいレースウイークとなってしまいました。それでも決勝朝のウォームアップ走行まで時間をフルに使って異なる仕様をテストした結果、ある程度の方向性を見いだせたことは明るい材料です。さらにこれを進め、ライダーの持つポテンシャルを十二分に発揮できるマシンに仕上げたいと思います。J-GP2の浦本はやや走りのリズムを崩しつつあるのでとにかくこのレースウイークは周回を稼いで自信を取り戻させようとしましたが、金曜日に転倒。リセットせざるを得なくなり、予選は勢いが取り戻せないまま終わってしまいました。決勝朝に施したセッティングが本人的に気に入ったようでそこでトップタイムをマーク。自信を取り戻しつつある中で決勝を迎えられたので期待しましたが、前車をパスするのに手間取ってしまい、トップから離されてしまって5位チェッカーとなってしまいました。走りのリズムが取り戻せつつあり、また次にステップへ進むためのマシン面での課題も見付かったので、そういう意味では意義のあるレースになったと思います。これをぜひ次のもてぎのレースでは結果に反映させたいと思います。JSB1000クラスの高橋は、オートポリスの屈辱のレースの流れを事前テストで払拭し、勢いを付けてレースウイークに入りたかったのですが今一つそれができず、その流れのまま予選まで終えてしまいました。それでも結果的に2位になれたので、ぎりぎり良かった、というのが正直な気持ちです。」