2010年鈴鹿300km耐久ロードレース  鈴鹿300km

2010年鈴鹿300km耐久ロードレース  鈴鹿300km

■選手コメント
高橋巧「1000ccのバイクでレインタイヤを履いて走行した経験がほとんどないので、レース序盤はどこまで行っていいのかまったく分からずに順位を大きく落としてしまいました。状況はチームが判断して指示するからとにかく無理せず自分のペースで走るようにチームからスタート前に言われていたので、走りだけに集中するように心がけました。路面コンディションがころころ変わるし、やっと自分のパートが終わったとピットに戻ったらそのまま走るように言われて走り続けたので疲れました。難しいコンディションの中でのレースで2位になることができてそのことはとても嬉しいです。」
中上貴晶「予選では2分9秒台まで入ると思っていたのですが、最後に集団に引っかかってしまい、10秒台で終わってしまったのは残念です。8耐の第3ライダーというチャンスをいただけるかもしれないので、テストではいい走りをしてアピールしていきたいと思います。今日の決勝はもちろん走りたかったですが、あの難しいコンディションの中でウエット走行をしたことがない僕が走るとケガをするリスクが高いからできれば避けたいとチームから言われ、それに従いました。信頼しているチームの判断ですから、それは間違いなかったと思います。今度は走るチャンスがもらえるよう、自分の力を上げる努力をしていきます。」
■レースコメント
予選は高橋が出した2分9秒063のタイムで4番手。中上は2分10秒665が自身のベストタイムとなった。決勝日朝のウォームアップ走行はドライ。しかし決勝へ向け、全車サイティングラップに入ったところでついに雨がパラパラと落ちだし赤旗提示。スタートは仕切り直しとなってしまった。このため、ほとんどのマシンがレインタイヤを装着し、ルマン式スタートでレースは序盤を展開することとなった。スタートライダーを務めた高橋はまずまずの飛び出しを見せ、2番手で1コーナーに飛び込む。しかし1000ccマシンでの雨の走行経験が少ない高橋はこのハーフウエット路面でどこまでペースを上げていいか判断が付かず、1周目は9位まで順位を落としてメインスタンド前に戻ってくる。さらに2周目11位、8周目には13位まで順位を落としてしまった。高橋を含め、上位陣が装着しているのはレインタイヤだったが、雨はその後上がり、スリックタイヤを履くライダーが順位を上げてくる。チームはスリックタイヤに換えることを決断し、10周目に高橋をピットに戻し、スリックタイヤに換えて再びコースに戻す。路面コンディションに合ったタイヤを得た高橋は水を得た魚のように本来の速さを取り戻しペースアップ。23周目にはついに3位まで順位を挽回してきた。雨はパラパラと降っては止みということを繰り返し、本格的に降り出してはいない。フルドライのような走りはできないが、スリックタイヤでも注意すれば足元をすくわれるような状況ではない。イレギュラーのピットインをしたため、もう一度ピットインしてガソリン補給をしなければならないMuSASHi RT ハルクプロは36周目にピットイン。もう路面コンディションは大きく変わらないだろうと判断し、タイヤを交換せず、そのままスリックタイヤで走りきることを決断。高橋の疲労がチームとしては最大の懸念だったが、ラスト2周となる50周目にはこのレースのファステストラップとなる2分962という、もう40周も走ってきたスリックタイヤで高橋はマーク。その勢いをキープし、無事に2位チェッカーを受けることとなった。